【卒業のしやすさが全然違う】日大通信での学部・学科の選び方

日大通信への入学を考えている方、そんな方々の最終的な目標はなんといっても卒業することだと思います。（教職生の方は違うかもですが）

とにかく卒業資格が欲しくてなるべく効率的に、楽に単位が取りたい方、興味のある分野を学びたい！という方、色々と目的や過程は違うと思いますが、最終的な卒業というゴールは同じです。

私は文理学部英文学科に在籍し現在4年生になりましたが、実は2年生の後半くらいから学部の選択をかなり後悔するようになりました。

大学のHPやパンフレットだけでは学校の仕組みを全て理解することは不可能だと思います。

この記事は私のようなことになる人が減ればいいなと思い、体験談などをまとめたものです。

通信制大学で使えるおすすめ学割についてはこちら

先に結論：選ぶなら経済学科

先に結論からいうと、学部・学科を卒業のしやすさで選ぶならおすすめなのは経済学部　経済学科、一番避けた方がいいのは文理学部　文学専攻（英文学）です。

そんなことない！経済学科だって大変なんだけど！という意見もあるかと思います。

ただ、どうしてそう思うのかきちんと根拠がありますので、その理由を解説していきたいと思います。

卒業のしやすさについて

「卒業しやすい」といっても、単に科目の勉強内容が簡単か難しいかということだけの違いではありません。

通信制大学は社会人の方が多いと思いますが、勉強時間の確保や必要な授業を受けるための休みが取れるかということも、卒業しやすいかどうかということに影響してきます。

また単位修得に関わる出費が多いことも、卒業しやすいかといったらそうではないですよね。

そういったことを全部ひっくるめてこの記事では「卒業しやすい」ということにしています。

そして「卒業しやすい」≒「自由度が高い・選択肢が多い」です。

私が3年間日大通信に在籍してみて、それが学部によってかなり差があるなという風に感じました。

日大通信の学部・学科（専攻）について

日大には4つの学部、8つの学科（専攻）があります。

どの学部・学科を選択しても卒業に必要な単位は124単位です。

そのうちスクーリングで修得しなければいけない単位数も決められています。

入学種別	必修スクーリング単位数
1学年入学	30単位以上
2学年編入	22単位以上
3学年編入	15単位以上

スクーリングには文字通りのスクーリング（通学）の他、メディア授業も含まれます。

必修科目に差がある

先ほど卒業に必要な単位は全学部学科共通で124単位とお伝えしました。

しかし学科によって必修科目にかなりの差があり、これが卒業しやすいか否かに直結している気がします。

必修科目には大きく2つあります。

例えば私の在籍する英文学科の場合、必修科目は8科目28単位+卒論（8単位）、選択必修科目は7科目20単位です。

文理学部（国文学、英文学、哲学専攻、史学専攻）のみ卒業論文（8単位）が必修となっています。

対して経済学科では必修科目が3科目12単位と決められているのみで後は自由に履修できます。

入学時に配布された学修要覧をもとに、必修科目と選択必修科目の科目数・単位数をまとめてみました。

学科	必修科目	選択必修科目
法律学科	11科目　44単位	2科目　8単位
政治経済学科	3科目　12単位	10科目　40単位
文学専攻（国文学）	卒業論文（8単位）	8科目　28単位
文学専攻（英文学）	8科目　28単位＋卒業論文（8単位）	7科目　20単位
哲学専攻	6科目　24単位＋卒業論文（8単位）	7科目　24単位
史学専攻	1科目　4単位＋卒業論文（8単位）	12科目44単位
経済学科	3科目　12単位	なし
商業学科	なし	科目数自由　48単位

学修要覧のスクショを載せてます

各学科の必修単位数は大学HPに記載がありますが、単位数のみの記載になっています。
入学から卒業まで：学科・専攻別卒業所定単位（124単位）

なので入学前には必修の科目数まではわかりません。（私が探した限りなのでどこかに載ってたらすみません）

英文学科は単位数だけみても多いのですが、この科目数というのも割と影響してきます。

コスパの悪い科目が必修になっている

科目によっては単位認定された際に2単位の科目、4単位の科目があり、正直単位修得の労力は単純に倍というほどそこまで大きく変わらないので、科目数を抑えて4単位の科目を修得したほうがお得感があります。

先ほど必須科目数も影響が大きいとお伝えしましたが、英文学科の必修・選択必修科目には2単位の科目が多く、単純にそれだけでコスパが悪いです。

対面スクーリングのみ科目が必修になっている

さらに英文学科の選択必修科目のうち6単位分（2単位科目×3）は対面スクーリングでのみ修得可能な科目なので、最低6回は都内に土日2日間行く必要があり、できるだけ交通費を浮かせたい、メディア授業で済ませたい地方民にとってはかなり大変です。

東京まで飛行機の距離の方、お仕事が忙しく土日にお休みが取れない方は、対面スクオンリーの科目が必修になっている学部は本当におすすめしません。

英文学科以外に避けられない対面スクがある学科は以下の通り

• 国文学　2科目
• 哲学　2科目
• 史学　2科目

なんとオール文理学部です。それぞれ4回対面スクへの参加が必要になります。

さらに対面オンリー科目は3年次からしか履修できないので、3、4年の年に負担が集中します。

（政治経済については選択必修欄の書き方がよくわからなかったけど、たぶん回避可能だと思います・・・。）

卒論が必修かどうか

最初にも説明しましたが、文理学部のみ卒業論文が必修です。

なぜ学部によって差があるのかはわかりませんが、普通の大学でもそういうもんなんでしょうか？

卒論はかなり時間も気力も必要なので、できればやらずに卒業したいところです。

卒業論文指導願の提出から単位修得までに2年ほどかかりますし、専用の卒論手帳の購入に5,000円かかるうえ、指導を受けるたびにこの手帳に手書きで記入して郵送しなければいけません。

日大通信はいまだに色々な手続きがアナログですが、基本現金は現金書留で送らなければいけないので手帳購入時に郵便局に行く必要があり、郵送するための切手も郵便局で購入しなければいけません。（25円分）

フルタイムで働いている方にとって郵便局に行くのは結構難しいことだと思います。私は有給時にまとめ買いしたり、平日休みの家族に頼んだりしてどうにかこなしていました。

また卒論指導は最初の「一般指導」の段階で、対面かzoomによる指導を受けなければいけないのですが、そのオンライン指導は予約制でそもそもの枠がほとんど日中の時間帯であり、たまに18時以降の枠があってもすぐに埋まっていました。

なので私は仕方なく時間給をとって指導を受けました。

私の一般指導は2回で終わりましたが、人によってはさらに受ける回数が増える可能性もあります。

また論文提出後の面接試問というものがあります。

まだここまで進んでいないので実体験ではなくブログやSNSで調べた情報にはなるのですが、都内の通信教育部校舎にて対面式、日時変更不可のようです。（勝手に指定される）

これが平日かどうかまではわかりませんでしたが、また交通費と有給の検討が必要そうです。

あとは必要な文献代、図書館や大学図書館に行く時間の確保など。

単純に論文を書くのが大変というだけではなく、社会人的にきつめなイベントが発生しがちなのでそういったことも影響してなかなか卒論は進めづらいです。

必修科目の側面から決めるおすすめ学科

必修科目がガチガチに決められているよりは少ないor選択肢が多い学科の方が、自分の得意そうな科目、スクーリングなしの科目、メディアで受けられる科目などを選びやすいので、お仕事や家庭との両立、また学費や交通費・宿泊費も抑えられる可能性が高く、卒業しやすい学科であると言えます。

よって必修科目の少ない経済学部経済学科が一番おすすめであり、次点で選択必修科目の選択肢が多い法学部政治経済学科、商学部商業学科となります。

文理学部はそもそも卒論をやらなければいけないのでおすすめしませんが、特に英文学は大変だと思います。

科目修得試験の持ち込み可科目に差がある

単位を取る方法の一つに科目修得試験（通称かもしゅう）があります。

これはリポートによる自主学習の後に受ける試験のことで、合格すると単位修得となります。（リポも合格する必要あり）

かもしゅうは基本教科書などの持ち込みはできませんが、一部の科目で持ち込みが許可されています。

持ち込み可能な科目は毎年変わります（年内にも変わる可能性はあるらしいけど、今まで変更なし）

先日令和6年度1回目の持ち込み可能科目が発表されました。

そこでその持ち込み可科目105科目のうち、各学科の必修科目・選択必修科目の選択肢にある科目にいくつ持ち込み可のものあるかを地道に数えてみました。

結果は以下の通りです。（アナログに数えたので誤差があったらすみません）

学科	持ち込み可科目数
法律学科	19
政治経済学科	10
文学専攻（国文学）	2
文学専攻（英文学）	1
哲学専攻	7
史学専攻	9
経済学科	3
商業学科	10

これを見てわかる通り、かなり科目数に差があります。英文学科は脅威の1。英語史のみでした。

持ち込み可能な科目は毎年変わるは変わるのですが、だいたい同じような科目な気がします。全部を一つずつ確認したわけではないですが。

もちろん科目によって差がありますが、基本的に持ち込み可の科目の方が勉強コストや合格しやすさ的にも楽です。（「指定六法のみ持ち込み可」の科目はもしかしたらそんなに易しくはならないのかもしれませんが）

必修科目で持ち込み可の科目がたくさんあった方が単位が取りやすく、卒業しやすいに決まっています。

別に学習内容が難しいから持ち込みができるとか、簡単だから持ち込めないとかではないんです。実際他学部科目をいくつか受験しましたが、持ち込み不可で難しい科目もありました。

この持ち込みのできる科目の選ばれる基準ですが、全くの謎です。ただ私的には結構不公平な気がしています。

かもしゅう持ち込み可科目の側面から決めるおすすめ学科

今年度の内容だけでいえば、経済学科は必修の3科目全てが持ち込み可、政治経済学も13科目取ればいいうちの10科目が持ち込み可なので、かもしゅうメインで単位を取っていきたい方はこのあたりの学科がおすすめということになります。

学部・学科はそれほど重要ではない【他学部の科目も履修できる】

ここまでの内容を総合して、卒業しやすいかどうかで学科を選ぶ場合経済学科がダントツでおすすめだという事はわかると思います。

ただ、卒業しやすいからといって経済について勉強したくはない・・・。英文学をやりたいという方もいると思います。

必修科目については先に説明しましたが、じゃあ必修以外の科目はどうなるかというとそれ以外は好きな科目を選ぶ「選択科目」となります。

この選択科目ですが、一部卒業単位に含まれない科目もあるもののある程度はどんな科目でもOKで、他学部の科目も選択することができます。

ただし他学部の科目は上限30単位まで

経済学科では選択科目は計70単位で、そのうち30単位を英文学系で修得すると残り40単位は自学部の科目や教職コース、司書教諭コース、学芸員コースの科目から選択しなければいけませんが、仮に英文学科在籍で選択科目を全て自専攻のものにしても18単位は英文学に関係のない科目を選択する必要があるので、どの学科に在籍しても多少なりメインの学習内容と別の科目を学習する必要はあります。

そういったことから、とくに大きなデメリットなく経済学科に所属しつつエセ英文学科の学生になることもできるというわけです。

学部・学科選びで後悔しても1度だけ転部・転科できる

ここまでの内容を読んで、もう文理学部に入っちゃったよ！先に知りたかった！という在学生の方、日大通信には取得した単位を引き継いで別の学部、学科に変更することのできる転部という制度があります。

毎年1月頃にポータルサイトにお知らせが掲載され、2月に申請期間があります。

特に試験などなく、書類を提出すればいいようです。ただし申請期間が短めなので忘れないように申請しましょう。

私は転部・転科できると知った時点で文理学部科目を30単位以上修得していたので、仮に経済学科に転部した場合、無駄になってしまう単位が発生するので断念しました・・・。

まとめ

単に「英語が好き」、「英文学に興味がある」というだけで学科を選んでしまうと後悔する可能性があります。

必修科目に苦手なものがあってどうにもならなくなったり、文学がしたいのに必修科目にある文法や英語史をやらなきゃいけないというストレスがあります。

できるだけ楽に卒業したい方や興味のある科目だけやっていたい方は、シラバスや過去問からいけそうな科目を履修していくと思いますので、制限の多い文理学部は避けることを強くおすすめします。

私は入学前のリサーチが甘かったので、文理学部だけ卒論があるということすら見落としていました。（全学部必須だと思ってた）

それは自分が悪いと思うのですが、その他入学してしばらくしないとわからない内情も多々あると思います。

この記事の内容を全部知っていたら間違いなく経済学科を選んでいました。

卒業しやすいかどうかで学部・学科を決めるのはどうなのかという意見もあると思いますが、多くの人が社会人生活と学生生活を両立している中で卒業を目指しているので、勉強内容以外の要因で卒業できなくなってしまっては本末転倒だとも思っています。

この記事が誰かの参考になれば嬉しいです。